BOAT RACE ビッグレース現場レポート

賞金王ファイナル 私的回顧

boatrace-453467.jpg  どこかの女性が叫んだこの「カッコイーーー!!!!」は、書いている今も耳にこびり付いて離れない。とにかく、凄まじい歓声だった。が、それも2、3秒後には落ち着いてしまう。  ピット側へと跳ね飛ばすような毒島のモンキーを喰って、田村は静かにスピードを緩めた。この瞬間、トリックスター田村の野望はほぼ潰えたと言っていい。2艇の大競りを尻目に、池田、中島、新田がゆっくりとホーム水面に入る。田村自身も、スタート練習(80~90m起こし)よりはるかに余裕のある待機行動になった。が、これは田村にとってさほどありがたいメリットではない。池田はじめ、内枠のアドバンテージの方が何倍もでかい。そして、深い進入にこだわり続けた田村は、スタート勘の補正もしなければならない。

boatrace-453469.jpg  元志だけが艇を引いての、穏やかな12346/5。池田が勝つ。私はほぼそう確信し、それから唯一の紛れる展開を思い描いた。スタート練習で田村を警戒し、深インの特訓を積んできた池田にとっても、この待機行動は想定外なのではないか。昨日、コンマ41というドカ遅れをやらかした池田が、またしても勘を狂わせるのではないか。  池田が負けるとしたら、それしかない。  12秒針が回った。まずは元志が目の前を猛スピードで駆け抜け、スローの5艇もほぼ一斉に動きはじめた。スタート。池田の舳先が、頭ひとつ抜け出していた。そして、田村の艇が頭ひとつ凹んでいた。 「池田だっ!!」 boatrace-453471.jpg こう叫んだのは、5人や6人ではなかった。私は叫ばなかったが、ピアノの連弾のようにあちこちで響く叫び声に同意した。そこからは……私が咄嗟に思い描いた脳内レースを正確になぞってゆく。池田が逃げ、中島が差し、新田がまくり差した。もちろん、池田には届かない。あのスリット隊形で、いかなる攻撃をも浴びる男ではない。あっという間に、2艇身突き抜けていた。強い。いつも通り、強い。そして、今節はトリックスター田村の存在があったからこそ、まったく動じないイン逃げはいつも以上に強く見えた。勝ち時計は、1分44秒8。それまでの71レースとは別次元のタイムで、池田は二度目の賞金王のゴールを通過した。  ピットへと帰還する池田に、2マーク側にいたほぼすべての観衆が拍手と祝辞を送る。池田は両手を上げてその歓声に応え、さらに立ち上がってまた両手を上げ、さらに両手を挙げたままボートの上で2度ぴょんぴょんと飛び跳ねた。最近、池田が妙に人間臭くなってきたような気がするのは、私だけだろうか。

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  • posted by boatrace
  • 2013/12/23 19:33

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