BOAT RACE ビッグレース現場レポート

住之江グランプリ優勝戦 私的回顧

 行ける、今日の菊地の気配なら、そのまま伸びきって内2艇をまくりきれる!  ほぼ確信にも近い思いでモニターを見つめていたのだが、そこから伸びて行ったのは逆に桐生と峰だった。私の見立て違いだったか、これも気圧低下のイタズラなのか……峰が菊地をブロックしながら差しハンドルを入れ、ほぼ同時に菊地がまくり差しを放つ。が、もうそこには桐生はいない。モニターに映された桐生のインモンキーは、遠目でもそれとわかるほど完璧にして華麗だった。  埼玉支部で初のグランプリ覇者となった桐生は、ゴールの瞬間に派手なガッツポーズもなく、むしろなぜだか背中を丸めたように見えた(2マークからは背中しか見えないのだ)。 「ファンの皆さんに感謝したつもりだったんですけど、ガッツポーズしたほうが良かったですかね」  共同記者会見で、謙虚な勝者はこう言って微笑んだ。らしいセリフだと思う。

 ゴールを通過した6選手が1マークでUターンし、思い思いにピットに帰還してくる。これが“2マーク観戦”の第2の愉しみだ。もちろん最初は桐生。 「おめでとー、キリュー!」 「ありがとーー!」 「50万獲ったどーー!!」 「メリークリスマス!」  歓声は止まない。それらを聞いた桐生は、シリーズ戦の新田よりも慎ましく右手を上げてみせた。これまた、らしい振る舞いだ。  2番手の井口は、少しうなだれながら観衆の眼前を過ぎていった。 「イグチーー、ようやった、気にすんなー」  誰かが大声で叫ぶと、井口もほんの小さく右手を上げた。それだけで、観衆はドッと沸く。そして3番手の峰は……ファンが拍手をする間もなく自ら右手を何度も突き上げ、立ち上がりそうなほど上体を跳ね上げている。  こら、峰リュー、あんたは負けたんだっつーの!!  それでも、やんやの大喝采だ。その後の菊地や毒島にも労いの言葉をかけ続けた観衆は、最後の石野を待った。  

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  • posted by boatrace
  • 2017/12/24 20:07

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