【小説】なでしこジャパン物語_アナザー

宮間あや「私は必ず日本代表に返り咲く」

 それにはバイタルエリアで溜めを作る人間が不可欠だ。左サイドバックの鮫島彩のオーバーラップ、ボランチの阪口夢穂の攻撃参加を引き出していたのは私だった。

 現在、攻撃的な左サイドハーフには長谷川唯という売出し中の若手がいる。確かに彼女は素晴らしい。圧倒的な運動量に加えて高精度のパス、ミドルシュート。ゴール前で決定的な仕事ができる高いクオリティを備えている。

 しかし、ゲームをコントロールする司令塔としてはどうか?アメリカやドイツ、更にはブラジルなど、世界のトップ5を相手にしたときプレーメーカーの真価は問われる。攻撃のリズムが掴めない苦しい時間帯に試合の流れを変えられるだろうか?

   私はそれを再現できる、多くの引き出しを持っている。

 タッチライン際をドリブルで仕掛け、バイタルからピンポイントのアーリークロス。ハーフウェーライン付近から逆サイドに展開するサイドチェンジ。カットインから中央に切れ込んでワンツー、ペナルティエリア外から強引なミドルシュート。

 プレッシャーの強いアタッキングサードでは、中央の強固な守備ブロックを崩すことは容易じゃない。ボール支配率の低い現在のなでしこは、アメリカ代表にカウンターサッカーで挑むしか策はない。数少ないチャンスをモノにするスキルが必要だ。

 私にはそれができる、、、、

2019年、ワールドカップ フランス大会 2020年、東京オリンピック

 年齢的にも、まだ間に合う。  30代中盤はサッカーアスリートにとって心身ともに最も充実するとき。  コンディションを整え、トップフォームを取り戻せば最高の時期と重なる。

 日本の左サイドは私から始まる。なでしこジャパンの攻撃の要。心の灯火は沸々と燃えたぎる。鮮烈なフリーキックをもう一度ワールドカップで叩き込む。新国立競技場で、東京オリンピックを舞台に、私のキラーパスで世界を震撼させてやる。

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  • posted by 稲葉なおき
  • 2017/10/12 23:14

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