角海老-ボクシングコラム

奇跡の名勝負、井岡―八重樫の統一戦

 WBC王者・井岡一翔(井岡)とWBA王者・八重樫東(大橋)がフルラウンドにわたり激闘を繰り広げた6月20日の世界ミニマム級タイトル統一戦。日本人世界チャンピオン同士の対決という史上初のビッグマッチは、戦前の期待と注目を裏切ることのない奇跡的な名勝負となった。    的確で鋭いジャブを主体に終始距離を支配し、23歳とは思えない冷静沈着な試合巧者ぶりで判定勝利を掴んだ井岡は日本人初の両団体統一王者に。1~2ポイントの僅差の判定だったが、井岡の勝利に疑問を付ける者はいないだろう。穴と呼べる穴が見あたらない素晴らしいボクサーだ。これからの日本のボクシング界を背負って立つニューヒーローであることは間違いない。  一方の八重樫はさすが名勝負製造機。両目を腫らし上げてなお、決して心折れることなく前に出続けたそのファイティングスピリットは井岡以上に多くの人の心を打ったかもしれない。リングサイドで観戦した辰吉丈一郎が試合後に漏らした「ドローだったらいいんだけど… 」の言葉は、そんな八重樫の戦いぶりに共感を寄せる声を代弁したものだったと思う。  試合はTBSが生中継し、視聴率は瞬間最高29.1%、平均18.2%と驚異的な数字を叩き出した。これだけの高視聴率はボクシング界にとってもエポックメイキングなことで、近年のボクシング人気低迷に一石を投じる意味でも大きなことだ。  リアルでハイクオリティーなボクシングが持つコンテンツとして魅力はまだまだ衰えていない。今回の井岡―八重樫戦を見れば、日本人同士の世界戦はサッカーの日本代表戦と同レベルの熱狂があると言っても過言ではない。  現在7人となった世界チャンピオンの中ではSフェザー級のWBA王者・内山高志(ワタナベ)とWBC王者・粟生隆寛(帝拳)がこの試合後に早くも「やってみたい」と反応、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(帝拳)も、WBA休養王者・亀田興毅に対して「いつでもいい」と呼びかけた。  こうした正真正銘、「本物」のビッグマッチの実現には様々な条件等の障壁があるのかもしれないが、今回の井岡、大橋両ジムが心意気を見せたように、日本のボクシング界が総力を挙げて実現に動いてほしい。しかもこできるだけ早いうちに。内山―粟生戦が今年の大晦日にでも実現したら確実に日本中が熱狂すると思うのだが、それは果たして夢物語だろうか…?

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  • posted by CRK
  • 2012/06/27 15:16

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