角海老-ボクシングコラム

「怪物に金棒」 オマール・ナルバエスvs井上尚弥

井上尚弥  2014年の流行語「レジェンド」の意味を噛み締めることになったのは暮れも押し迫った12月30日。一年の掉尾を飾る日本ボクシング界のビッグイベント「BOXING FES 2014 SUPER BOXEO」の舞台となったJR千駄ヶ谷駅前の東京体育館に集まったオーディエンスは、新たな怪物伝説が誕生する瞬間に遭遇する歴史の証人となった。

 前WBC世界L・フライ級チャンピオン井上尚弥(大橋)が挑んだWBO世界S・フライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)はアトランタとシドニー五輪に2大会連続出場した元アマエリート。02年7月のWBO世界フライ級王座奪取後は09年6月までの約7年間で16度の防衛に成功すると、無敗のままS・フライ級に転向。翌10年5月にWBO同級王座を獲得し、井上戦を迎えるまで11度の防衛を重ねてきた。46戦のプロキャリアで敗北は11年10月に当時のWBC・WBO世界バンタム級王者ノニト・ドネア(フィリピン)に喫した一度のみ(43勝23KO1敗2分)。そんな正真正銘の“レジェンド”と呼ぶべきキャリアを残す通算V27王者をプロ8戦目のモンスターは子供扱いし、4度のダウンを奪った挙句、最後はその心まで根こそぎ粉砕してキャンバスに跪かせたのだ。都合361秒間で演じた井上の演舞はドネアがフェルナンド・モンティエル(メキシコ)を失神KOに屠った一戦にも匹敵する衝撃を残したと言っても大袈裟ではない。日本人の枠を飛び越えた空前絶後の秒殺劇だった。

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  • posted by 黒井 崇貴
  • 2015/01/11 14:26

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