ニコ小鉢その2(仮)

FC岐阜 × 湘南ベルマーレ (2014年度J2リーグ 第4節 長良川)

FC岐阜に春の強い風が吹いています。 開幕・第2節と、3得点して連勝。この時点ではありますが、得失点差で「首位」に立ちました。第3節は山形に敗れたものの、リーグ4位でこの試合を迎えます。 一方の湘南も好調。開幕から3連勝で現在首位。 首位攻防戦となったこの試合に観衆7,222人が詰めかけました。昨年の岐阜の平均観客数は4,526。この部分も大きく飛躍しています。 <岐阜・スターティングメンバー> FW            ナザリト 難波宏明 MF  高地系治 スティッペ 宮沢正史 水野泰輔 DF 野垣内俊 阿部正紀 木谷公亮 杉山新 GK 川口能活 監督 ラモス瑠偉 <湘南・スターティングメンバー> FW          ウェリントン               武富孝介 大槻周平 MF 菊池大介 宇佐美宏和         永木亮太 菊地俊介 DF    三竿雄斗 丸山祐市 遠藤航 GK 秋元陽太 監督:曹貴裁 主審 松尾一 湘南については昨年開幕節以来の観戦記になりますが、その時と同じスターティングメンバーは永木亮太のみ。ハングギョン・高山薫は柏に移籍。古林将太は欠場中です。 岐阜も、湘南ほどではないにせよ、随分とメンバーが変わりました。 今年の岐阜はスポンサー収入に恵まれていまして、クラブ強化陣はそれまでの鬱憤を晴らすように、次々と名のある選手を獲得しました。 スターティングは上記の通りですが、サブには三都主アレサンドロ・美尾敦・太田圭輔。何とも贅沢な陣容です。 ************************************************************ 湘南は、キックオフからいきなりドリブル突破を仕掛け、FWとアウトサイドの5人はスプリントで敵陣に切り込んでいきます。アグレッシブなサッカーは降格後も変わりません。 湘南は、宇佐美宏和・菊地俊介と、CBが本職の選手を2人中盤に置いています。 特に宇佐美はコントローラー系の選手で、アウトサイドに置くとはどういう意図なのかと試合前から興味津々の筆者でしたが、どうやら意図は非常にシンプルなもので、「ボールを奪える」選手をチョイスした結果だったように思います。 湘南の守備は直情的で、相手ホルダーに真っ直ぐプレスを仕掛け、ワンサイドカットをしながら、相手が出た方向に2人目がプレスを仕掛けて仕留める手法です。 攻撃のコンセプトは、出来るだけスピードを下げずにフィニッシュまで持ち込んでいくこと。そのため、クロスで終えるシーンが多かったです。宇佐美はその点でも、意外なほどの質の良いよいクロスを持っていましたが、それはチームの中でのオプションの一つに過ぎなかったでしょう。何故なら湘南がクロスを送る際は、左右に係わらず、永木亮太がボランチの位置からサイドに出張ってクロスを送るからです。 永木は、以前から湘南のプレーメーカーで、パスには定評のある選手ですが、今季になってロングキックの鋭さが増したように思います。 対する岐阜は、そんな湘南の攻撃に合わせたように、スピ-ディーにフィニッシュまで仕掛ける手法でした。 岐阜はベテラン揃いで、湘南の選手のように多く走れないですが、相手の直線的なプレスを技術でかわしていき、局面で数的有利を作っては、シンプルに裏にボールを運んでいきます。 開始5分の岐阜。難波宏明が左サイドをドリブル突破。中に叩いたボールをスティッペがシュート。決定的なシーンでしたが枠外。 21分の湘南。相手のシュートをブロックしたところからのロングカウンター。遠藤航が右サイドを駆けながら、よく周囲をルックアップしていて、大きく左に展開。これを菊池大介が受けて、右足に持ち替えてアーリークロス。ファーにウェリントンが飛び込みますが僅かに合わず。しかしダイナミックな攻撃でした。 時間は前後しますが17分。ハイボールの一対一で、ウェリントンの肘が阿部正紀の身体と接触します。阿部正紀は倒れ、ウェリントンはイエローカード。やや乱暴なプレーに難波宏明がウェリントンに詰め寄ります。 双方とも球際が非常に激しく、審判の笛が絶え間なく響く展開です。 28分の湘南。右CKのボールを岐阜守備陣に跳ね返されましたが、セカンドボールを左に展開。岐阜はボールを跳ね返した段階で選手全員の体勢が前がかりになり、守備への戻りが遅れました。 湘南は左に展開したボールを、丸山祐市がダイレクトでクロス。これをウェリントンが綺麗なヘディングで決めました。 【岐阜 0×1 湘南】 43分の湘南。左サイドでプレスを仕掛けてボールを奪うと、ダイレクトパスでテンポよくボールを前に運びます。大槻周平がPA内に入れたボールを、ウェリントンが楔になり、足裏で後方に落とします。これを 武富孝介がシュート。これは右ポストに当たりますが、跳ね返りを永木亮太が強いインサイドボレーでゴールマウスに蹴り込みます。惚れ惚れするような美しいショートカウンターでした。 【岐阜 0×2 湘南】 岐阜は前半から苦しい状況となりますが、3試合で7得点しているチームです。この試合もこのままでは終わらないだろうと思っていた筆者でしたが、想定より早い時間でスコアが動きました。前半ロスタイム、遠藤航のクリアミスからボールを拾った水野泰輔がスルーパス。ナザリトが斜め裏に抜けてシュート・ゴールが決まりました。 【岐阜 1×2 湘南】 ************************************************************ 後半の岐阜は難波宏明を下げて三都主アレサンドロを投入。中盤を再構成して、高い位置からプレスを仕掛け、アグレッシブにボールを奪いにいきます。 前半から両チームとも球際が激しかったですが、この後半の岐阜の戦略で、攻防はさらにヒートアップ。 結局、試合通算で6枚のイエローが乱れ飛ぶことになります。 54分。湘南のミスキックからボールを奪った岐阜がカウンター。ナザリトが左サイドを抜け出そうとしますが、丸山祐市がこれをカットしてクロスカウンター。相手ゴール前2対2の状況で、ウェリントンが左足でシュート。これをGK川口能活が左にダイブしてパンチング。ボールは左のポストに当たって枠外に。 57分。湘南がカウンターに出る態勢で、宮沢正史が激しくボールにアプローチ。周囲の選手3人で囲い込んでボールを奪ってのショートカウンター。これは湘南守備陣に跳ね返されますが、セカンドを 阿部正紀が良い出足で奪って二次攻撃。 この時間帯の岐阜は、驚くべきことに、切り替えの部分で湘南と互角に渡りあっていました。 しかし、岐阜はビルドアップの部分が弱かったです。CBの選手が不要意に横パスを出しては、湘南のカット・ショートカウンターを受けます。 また、岐阜にとって不運だったことは、60分にスティッペがハムストリングを傷めて交代したこと。彼はナザリトとともに、岐阜の中ではキープ力のある選手。その一角を欠いて残り30分を戦わねばなりませんでした。 後半が風下だったことも不運でした、かなり強い風でしたので、裏のスペースに浮き球のパスを送ってもボールが戻されます。効果的にナザリトのスピードを使えなくなりました。 72分。それでも岐阜は食い下がります。ナザリトのポストからボールを受けた遠藤純輝が、縦方向の大きなシザーズで右サイドを突破、クロス。これを高地系治が後方にボールを叩きますが、ミドルシュートの位置に岐阜の選手はいませんでした。 86分の湘南。右サイドでのパス交換から、藤田征也(交代出場)が縦に抜け出します。ファー目掛けたクロスに、CBの位置から大胆なオーバーラップを仕掛けた三竿雄斗が合わせました。 このシーンの直前、ウェリントンが少し傷んで島村毅に交代。試合進行が一旦止まっていました。再開直後の岐阜の選手は一瞬集中を切らして、それまでのような球際の鋭さが欠けていました。 【岐阜 1×3 湘南】 しかし岐阜は屈せず、後半ロスタイム。またも水野泰輔のスルーパスからナザリトが裏に抜けてシュート・ゴールが決まりました。 【岐阜 2×3 湘南 試合終了】 ************************************************************ 岐阜の健闘が印象に残った試合でした。 試合後のラモス瑠偉監督も「よく頑張った選手達を褒めてあげてください」と語っていました。 湘南のような洗練されたプレッシングではなかったものの、よく選手がプレスに走り、球際を激しくする。フィフティーの局面では身体を突っ込ませる。時にはファール覚悟で相手選手の突破を止める。「サッカーの本質を見せてもらった」という湘南・曹貴裁監督の言葉が、岐阜の「強さ」を的確に言い表していました。 湘南は、全体的に自分達のサッカーができましたが、3点目を取って突き離す時間が遅かったのが反省点。相手CBのビルドアップの局面から面白いようにボールを奪えていたのですが、崩しの場面では精度を欠いていました。 ふんばりどころの時間帯で失点してしまう、悪い癖も治っていないようです。 4連勝となりましたが、J1再挑戦をはかるには、まだまだ修正すべき課題がたくさんあるように感じます。 ●個人評 <湘南> ・ウェリントン 6.0:クロスボールの飛び込みに特異な才能を持つ。やや「手癖」が悪く、イエローを度々受ける部分は課題。 ・永木亮太 6.5:活躍ぶりは上記のとおり。この日のMVP ・遠藤航 5.0:ミスもあったが、あのルックアップ能力は天賦の才。 <岐阜> ・ナザリト 6.0:高さ・強さ・速さと3拍子揃った選手。とても良い選手を岐阜は獲得した。連携部分が進化すれば、これまで以上に怖い存在に。 ・水野泰輔 5.5:「凄い選手になると思っている」とはラモス監督の言葉。この日2アシスト。現代チャンスメーカーでは少なくなった、縦スルーパスに拘りを持つ選手。攻守のプレーの幅を広げていけば、確かに面白い存在。

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  • posted by niko0730
  • 2014/03/23 12:02

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